[開発ストーリー]鮨 木島

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Y-SHARE事務所の隣は、ビルオーナーである建築家CASEの一ノ瀬さんの事務所があります。時々、事務所にふらっと顔を出して相談されます。今度、博多で若手一番のツヤのある兄ちゃんが独立するけん手伝っちゃらんかい。俺と同じ同郷で嬉野出身たい。やま中で19年修行しとうけん間違いなか。大将が七つ星でおらん時は、センターに立ってしきっとうヤツやけん、独立したら皆が注目する。ピシャーッとしたお店ば作るけんロゴとツールとかwebとか全部しきっちゃらんね。

寿司屋の王道で組み立てながら、一歩先に進んだことをしましょう。となりました。

まずは、模型を見て、壁に大きな陶板にしたい。食器も全て有田の弥左エ門に声かけてある。陶板の絵を何にするか決めないかん。ということで早速、有田の弥左エ門さんの工場へ行くことになりました。工場見学した後に絵付けの資料となる沢山の本の中から、スタッフ全員で、気になる絵を探し消去法で選んでいきました。椿や松やら古典的なものもよかったのですが、僕の中で今回は、”琳派”が波長として合うのではと思いました。伝統の精神を受け継ぎ新しいものを生み出す作り手の開拓精神が、琳派だと。そこで、見た目が一番、派手な仕舞扇雲月の図案に決め弥左エ門さん自ら線を描いていただきました。

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施工が始まり節の無い立派な杉の木材、銀杏の木6メートルのカウンターを見てこれは、安恒組さんなら素晴らしいお店になるに違いない。と確信しました。

お店の名前を決めなければいけません。鮨木島か鮨英太朗のどちらか迷ってましたので、書家の西本先生にお願いし両方を書いてもらいました。先生いわく50歳になって英太朗はないでしょう。という将来のことも考慮して鮨木島に決めてもらいました。先生には、木島さんの人柄とお店のコンセプトだけ伝え、先生の好きな書でとお願いしましたが、やま中のロゴが素晴らしく博多の西島先生を少し継承してほしいともリクエストしました。木島の島の文字の中にある山のカタチは、やま中のロゴに似ています。この書なら天皇陛下が来ても恥ずかしくないとお墨付きをいただきました。

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お店で一番大事なのが暖簾です。本物で商売繁盛を願うときは、高くても上川端の川口屋染工店にお願いしています。寿司屋は、白で麻と昔から決まっている。鮨木島のロゴを見てこれは、繁盛するバイ!と奥さんからお墨付きを頂きました。その場にいた木島さんも嬉しそうでした。

安恒組の素晴らしい凛とした杉の壁の入り口に、真っ白い麻に『鮨』と大きく染めた暖簾を見たときは、本物と本物はつり合うなぁ。伝統の美しいカタチには、意味があるんだなぁ。とつくづく思いました。出来て完成ではなく、これからお店が何十年も世間の雨風にも耐え年々存在感と美しさが磨かれるお店になってほしいなぁと。暖簾を見ながら思いました。

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建築関係者を招いたレセプション

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開店日には、御祝いの胡蝶蘭で店内が埋め尽くされました。

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大将の木島英太朗

 

プロジェクトメンバー

設計 株式会社CASE 一ノ瀬勇 http://www.case-style.com/

施工 株式会社安恒組 安恒寿人 http://www.yasutsune-gumi.jp/

照明 株式会社モデュレックス福岡 佐藤政章 http://www.modulex.jp/ja/

壁板・食器 ARITA PORCELAIN LAB 七代名弥左ヱ門 http://aritaporcelainlab.com/index.php

デザイン カジワラブランディング株式会社 梶原道生 http://kajigra.com

書家 西本宗璽 http://sojinishimoto.com/

写真・動画 ワイトリー写真事務所 白木世志一  http://www.cilaco.co

焼山 慈康 株式会社 ブリックハウス http://brickhouse.co.jp

 

鮨 木島 http://sushikijima.jp/