[カジウラバナシ] ワンビジュアル・ワンメッセージ

出典:仲畑広告制作所「仲畑広告大仕事」,講談社,1993年2月,284,285ページ

こんにちは。カジブラ新入社員です。

前回は梶原さんの経歴についてお話を伺いました。続いて、梶原さんの福岡時代、東京時代、そしてロゴのお仕事を始めてからの3つの時代に分けて、影響を受けた作品についてお話を伺っていきます。

 

―はじめに、福岡で広告のお仕事をされていたときに影響を受けた作品を教えてください。

コピーライターの仲畑貴志さん、アートディレクター副田高行さんが手掛けられた、岩田屋の新聞広告です。新聞を開いたときにこの広告を見て驚きました。ビジュアルと「労働」というコピーのギャップがすごいですよね。

まず、シーナ&ザ・ロケッツの写真で目を引かれ、「家族」や「労働」という言葉を見る。そしてボディーコピーを読む。「見る」と「読む」が一体になることで、見る人の心に残る広告になります。

「ワンビジュアル・ワンメッセージ」は広告の基本ですが、それが僕の中に強く残っていて、今でもロゴ作りにも活かされています。

デザイナーの視点からすると、使われている書体や文字組、写真や構成のディレクションの仕方も気になってしまいます。写真でも、コピーでも、レイアウトでも、絶妙なバランスの良さに一流の魅力を感じた広告でした。

 

―梶原さんのデザインにおける考え方のルーツを知ることができました。次回もお楽しみに!